2010年3月某日 イーオン訪問記 (府中くるる教室)
春の気配をすこ〜しだけ感じ、体も軽く、超久しぶりにスクール見学に行ってみよう。選択したのはイーオン。ここ数年、潜入レポートは塩づけ状態なので、情報アップデートの意味も兼ね、イーオンを皮きりに一連の学校を少しずつ巡ってみるのもよいかも。
イーオンといえば、そのイメージ戦略もあり、クリーンな印象がある。全国展開するスクールでは今や最大手だと思うけど、非常に堅実な運営(経営)をしているように見える。見学するにあたり、そのようなイメージの背景にある具体的取り組みなども、聞いてみたい、いや、それが一番の目的だったりする。
訪問したのは、新規設立の「府中くるる校」。私の自宅から遠くもなく近くもない校舎。途中の京王線では、都心から一歩外れた風景に、心も和んでしまい、半分寝ていた。が、イーオン・府中くるる校のドアを開けると、日本人インストラクターの元気のいい挨拶でふっとんだ。なんか、清楚なイメージのイーオンと違うような…。ビックリ。
対応してくれた、○籐さんは、とてもキレイで、可憐なリングが素敵でした…。
2時間ほど、丁寧にお話をしてもらう。印象深く感じたことは、「イーオンって、けっこうベタ」。感覚的な、イメージに訴える営業トークを期待していたら、そんなことはない。思いっきりコテコテのベタベタ。良い意味でのベタ。日本人インストラクターとも、話す機会があったけど、狂ったようにテンション高い。沸騰しちょる。イーオンってこんなんだった?
今でも耳に残る、入り口ドア開けた時に、いきなり聞こえた「は〜い」という例の日本人インストラクターのごあいさつ。超フレンドリーで、こちらが隠れたくなるくらい。加えて、説明担当の○籐さんは、遠慮なしに人の立場を乗っ取って、お節介を焼いていただいた。しかし、不思議と嫌とは思わない。イーオンでの仕事について聞いた時、彼女の口からこぼれたけど、生徒のことをとことん思いやることがヤリガイだとか。真実味帯びてる。
本来、対人サービス業って、こういう元気が必要なんだよなぁとなるほど納得。スクール訪問、もう何ヶ所したか判らないけど、対応してくれる人が葬儀屋の受付みたいな人もいたりした。あれはないから。
圧倒されっぱなしの2時間で、内容についてはほとんど覚えていない。イーオンと言えばラウンドアップレッスンがある。確かにラウンドアップレッスンがなんちゃらと言っていたようだ。もともと内容を覚えるのは苦手なので…(ホントふざけた見学です!)。
さて、あまり知られていないことがある。イーオンは、前受け金の保全措置を分割信託という形で講じているスクール。難しそう?
まず、前受け金とは、最初に払いこむ授業料。まだ受けていない授業に対するお金だから前受け金。通常の運営だと、この売上げ全部を、現在の運営資金に充て、先の運転資金は先の新規生徒が払う受講料でまかなえば良いというやりかた。このような運営は何らかの事情で、新規生徒獲得がストップした時に、資金ショートという事態に陥りやすく、融資が受けられないとドツボる。先々までの授業料を一括して払い込むやり方って、「インストラクターの確保、体系的カリキュラムの基づいた指導」など、先を見越した運営がやりやすい反面、自転車操業に陥りやすい危険も孕んでいる。
英会話スクールって、前受け金の保全措置を講じて「いる」か「いない」かは示しているところは多い(ほとんど、「いない」)。では、「いる」と示した上で、どのように講じているかを明示しているスクールは激レア(たねぞうが知る限り、2校のみ)。イーオンは、分割信託といって受講料の半分を、みずほ信託銀行に信託保全している。その額なんと43億円!!こういう保全措置は、今日からやろうと思ってもできるものではない。前々から準備し、健全な財務体質を作っておかないとできない。こんなところに、イーオンの堅実さが見える。確かに、イーオンは、周りの大手がガシガシ拡張している時に脇をしめていたし、逆に現在のような英会話氷河期真っ只中の今年(2010年)は、校舎を増やす予定とか!
完成度が非常に高いシステムと、機械的な堅実経営、さらに、相当お金使っているだろうスマートな広告営業、でもそれに反比例するかのような現場の人間的な熱さ・泥臭い人懐っこさがいい具合にブレンドされているようで。全国区大手中、安定度A++。
※古いイーオン潜入記はこちら、もしご関心があれば。 |