ワンナップ英会話
ずっと気になっていた中堅校。ワンナップ英会話。そのワンナップに行ってみた。’10年7月下旬。きっかけは、新しく銀座に拡大するというニュースを見たこと。昨今逆風吹き荒れる英会話業界、このご時勢で、拡張すんのぉ?そんなに目だった広告やってるわけじゃないし、拡張するほど景気いいのか不思議に思い興味を持った次第。
ワンナップのウェブはこじんまりと綺麗につくってあり、実際訪問した際のインテリアもお洒落。往々にしてこんなスクールは外観だけの見せ掛けの所も多いから、内容を興味津々と聞いてみる。
対応してくれたのは、アドバイザーのBさんという女性。システムはマンツーマンというのは知っていたから、このスクールならではのマンツーマンの特徴って、どんなものなんだろうと突っ込みどころ探しながらお話をきく。最初は「ふぅ〜ん」とうなずく程度だった私も、だんだん、「ほぉえ〜ぇほぉえ〜ぇ」といういうふうに、変わってきた。こりゃ、スクール拡張してもおかしくない。
ここ、外見だけのマンツーマンスクールじゃ、ない。
マンツーマンのシステムって、とにかく「レッスンが濃密」のバカの一つ覚えのセールストークでプッシュされがち。でも、マンツーマンにもデメリットがあって、一人ひとりを相手にするわけだから、一人ひとりに合った体系的カリキュラムをつくるとなると、教務陣はあたまハゲてしまうくらい大変になる。よくある、外国人を紹介するだけのスクール(スクールと呼べるかどうかわかんなけど)は、悪く言えばその場凌ぎレッスンの継続で、数ヶ月続けても何を習ったかわかんないという結果に陥る人も多いから。だって、カリキュラムもクソもないんだから。講師管理も何もないような、「は〜い、紹介しましたから、あとは勝手にどうぞっ」っていうスタイルは、マンツーマンだけど、初心者には多分、無理。
マンツーマンは、徹底した講師管理と、一人ひとりに各人にあった体系的カリキュラムの提供がないと、お金をドブに捨てる結果になりかねないと私はおもう。
んで、このワンナップ、システムの特徴一言でいうと、オール・ハンドメイド・トゥ・オーダー。和語で言ったら、石頭職人かたぎのスクールって感じ。だって、テキストから、オール・ハンドメイド。普通、市販の出来合いのテキスト使ったほうがそりゃラクにきまってるけど、まぁ、よくここまでオール・ハンドメイドで、これだけのありとあらゆるテキスト郡を作ったもんだとのけぞるくらい。聞いてる私が痔になりそうだった。
この鬼にような量のテキスト郡から、12回分ごとに生徒個人こじんにあわせてプリント選択して小テキストを作り、フィードバック&フォワードを繰り返しレッスンを進めていく。確かに体系的に学べる。しかも、12回ごとだから小回りキクし。しっかし、このテキスト作るって、超面倒くさい作業よくここまでやったもんだとホント感心。好きでなけりゃやれないかもと内心思い。
こういう面倒くさい作業をコツコツやるくらいだから、このスクール、基本的に、ベタなスクール?ウェブやインテリアのお洒落なイメージと全然違う。立地もお寺の一角借りたほうがよほど似合うかもしれない。
いろいろもらったパンフレットにニュースレターあり。見た目は、綺麗でお洒落なニュースレター。目を通すとこれまたベタ。藁半紙に刷った方が似合うベタな内容。綺麗な写真でだまされそうになるけど、実はその写真も自家製でスタッフが撮った写真とのこと。コンテンツも、超ローカルな話題で、スクールスタッフの私的長編ブログみたいな感じ。こんなニュースレターだから、スクールの雰囲気が手に取るように伝わり、スルメみたいに読めば読むほど味が染み出てくる。
こんな不況なのに、拡大した理由もなんとなく判る。見せかけの「いらっしゃいませ、お客様」とは真逆の「やるんだったら根詰めてやらんかい!」みたいな筋金入りのスクールポリシーがあるように思う。だから、ここ口コミで生徒集まっているのね〜。ワンナップ、女性に例えると、後姿は凛とした美人キャリアウーマンだけど、家ではしっかりおいしい肉じゃが料理する家庭的な女性といえば言いすぎか。あ、あとSの気もあったりして…(失礼)。さらにさらにワンナップ、男性に例えるならば、ジョージクルーニーばりの颯爽としたビジネスマンが、実は夜自宅にかえると、裸エプロンにネクタイでスルメをあぶっていたりする、そんなスクールかもしれません。
こういういかにも泥くさいスクールだから、マンツーマン制とはいえ、童心をくすぐるイベントも本格的。たまたま直近にひかえたイベント紹介のチラシももらった。「ラフティングバスツアー」。マンツーマンだと同じ学校に通っていても友達いない人も多いけど、こういう交流の場を設けてくれるところも、ワンナップらしくて良い。思わぬ出会いのチャンスありそう、うっひっひ。私も飛び入り参加したかったが、酔っ払ってボートから転げ落ちて大迷惑をかけるのが関の山だったので止めた次第。
最後に、質問してみた。
たねぞう:「このシステムで、初心者がある程度のレベルになるまでにどれくらい通ったらいいっすか?2年ぐらいですかねぇ?」
Bさん:「3年です!」
たねぞうは、こういう遠慮なしストレートなアドバイザーは信頼できる。さすがに、3年という言葉が返ってくるとは思わずひっくりかえりそうになってしまったが、英語を身につけるという顧客の本来の目的を正面から堂々と見据えていないと3年なんて言葉はスッと出てこない。英会話スクールが居心地だけを追求した接客業化しつつある現在、アドバイザーが客に真正面から向き合い「英語上達」という本来の目的から逃げない姿勢は、アドバイザー自身も英会話を学ぶ学習者の自覚があるからこそだと思う。
マンツーマンというシステムが一人歩きし、今や猫も杓子もマンツーマンという時代に、どことは言わないが接客業化したスクールに飽き飽きした人にはオモシロイところだとおもう。
お・し・ま・い・! |