なんとなく、このやりとりを読み直してみると、ホントに一歩の「がんばろ」という気持ちは大切なんだと感じました。このコーナーは大変ではあるのですが、直接、皆さんとやりとりできる場です。たねぞうも、文面から、ご質問者の人となりを一生懸命感じようとして、ご返信の内容は人それぞれですが、このメールをきっかけにがんばりますとおっしゃって頂けると、「焼酎一升瓶」を飲んだような感激に浸ります。では、どうぞ!
===「おっさん」さんからのご質問(2004/6/5 午後1時40分)===
現在27歳の転職を考えている会社員です。希望する転職先は英語での論文試験と面接試験があります。で、肝心の私の英語力は偏りがあり、役に立っていません。
@TOIECは入社時に受けたときは860点。
A読む:自分の専門分野の論文は普通に読めますが、小説など一般的なものになると辞書なしでは生きていけません。
B聞く:ニュースは大体理解できますが、日常会話になるとサッパリです。映画もよく分かりません。
C話す:専門分野ですとシドロモドロ話せます。聞くと同様、日常会話や一般的な会話になると貝のようになります。
論文試験は今までどおりに書きに励めば何とかなるでしょうが、面接試験が問題です。会社員で平日はもちろのこと、仕事がたまっているので休日も英会話学校に行くことは難しいです。2年くらいで、仕事に求められるレベルの英語会話力を身につける方法はないでしょうか。やはり英会話学校に行くことでしょうか?それ以前に、仕事に必要な英会話力って何(どれくらい)なのでしょうか?
お時間があればアドバイスをお願いします。
===たねぞうの返信(同日 午後2時49分)===
おっさん さま
こんにちは。久しぶりに速攻リターン回答をやろうと書いています。本当は、他の方のご質問もあるのですが、回答には調べないといけないことがあって。
ましてや、その「おっさん」というハンドルネームに哀愁を感じ、英会話スクール研究所焼酎ソムリエたねぞうとしては、まるで魂が、ムンクの叫びのようになりおもわず、即リターンせねばならぬという、ユングの言う深層意識からの声が聞こえてきました。ちなみに、「おっさん」さんというのは、冗長なので、おっさんと呼ばせて下さい。親しみもわきますね。
まず、おっさんのご質問を整理します;
目的:転職先の試験に論文試験と面接がある。
現状:おっさん曰く、現状の英語力役にたっていない。
対策:====>たねぞう教えて!
と、こうなりますね。論文試験は、おっさんがご自分でおっしゃっているので、触れませんが、今まで通りなにか書き物をされていたのでしょうか?こちらは大丈夫と。ただ、面接試験が問題であると。ただ、現状のご自身の客観的判断では、日常的・一般的会話になると、貝になってしまうので、対策が必要と。
さて、どうしましょう。必殺技を一つ紹介。諸刃の剣ですし、おっさんの一生を左右しかねない剣ですから、最後までとっておいて下さい。
必殺技:「面接試験を受けるまえに、種子島産、芋焼酎島甘露を五合飲む」
諸刃の剣です。面接官に、酒臭いと思われるとヤバイです、というかその瞬間不採用を覚悟された方がよろしいでしょう。ただ、ある程度、距離をおいて、酒臭さを隠すために、黒酢をコップいっぱいのみ、フリスクを50粒ぐらい服用す れば、なんとか誤魔化せるかもしれません。(これは、たねぞうは試したことが ないので、一体、どんなにおいがするのか不明です)。ついでに、蚊にさされた 時にぬるキンカンを一本、髪に塗りつけると効果的だと思います。
ごめんなさい。最初から飛ばしております。ただ、あんまり、たねぞうはおっさんの状況に対して、危惧は感じていないので、最初から、冗談がいえるのですけれど・・・。
@トーイック860点 → 基礎学力はかなりお持ち。
A専門分野はOK、小説NG → みんなそうです。
Bニュース理解できる。映画NG → みんなそうです。
敢えて書きますが、おっさんのレベルは、中高の英語教諭なみのレベルと同じです。ナチュラルあたりのペーバーバックをポンと渡して、「読んで」というと、ほとんどの方(学校の英語先生方)は、冒頭の一文でギブアップではないでしょうか?
(たねぞう注:Natural ロバートレッドフォード主演の映画のペーバーバック)
上記から判断すると、おっさんは、かなり英語は勉強された方だと思います。おそらく、そうとう頑張った過去をお持ちでしょう。ただ、これ以上の壁(例えば、ニュースは理解できるが、映画がNG)を突破するには、今までの、5倍ぐらいの時間と労力を使うかもしれません。でも、ここからの英会話習得には、お金は、かからないし、楽しくやれると思うので、それほど苦にならないのも確かですね。
C話せない → 性格的にもともとシャイ?ですか・・・。おそらく、話す練習をしていない、話す場を自ら設ける努力を怠った(これは、皆さんそうですけど)から?
話は、飛びますが、仕事に必要な英語力は、おっさんの今の力で充分です。今おっさんが、どのような業界にいるのか不明ですが、たとえば、古典英語を教える大学教授を転職先でねらっているとすると、話は別ですが、一般的な英語を使う職場であれば、もう、充分でしょう。
おっさんは、専門用語ですとシドロモドロ話せるとご自分で判断されています。この専門用語は、転職先にもあります。そして、その場に身をおけば、意外と簡単に使えるようになるというのは、おそらくご存知のはず。
そうなんですよね。ビジネス英語って、結構簡単だったりするんですよ。それにくらべ、日常英語は、大変です。だって、日常を生きていくための言葉が日常英語。私たちは、日常に暮らしている訳です。日常英語ができるようになるということは、そのまんまもうネィティブですよ!
こと、英語力に限っていうなれば、現状の英語力で、充分。特殊な業界(たとえば、海外傭兵部隊に就職するとか)以外はという条件つきですが。海外傭兵になろうと思っていませんよね(笑)。
面接者は、もちろん、英語の出来る人かネィティブですから、おっさんの英語力は、正確に判断できるはずです。それも、筆記試験付きですから、どこぞの英会話スクールでやるような、たかだか10分程度のチャットみたいなもので、英語力の判断はしないでしょう。
また、ご質問の文体から察するに、生真面目な方だと思います。人を1人採用するとは、会社にとってもはやり大変なことです。最近は転職ブームですから気軽に就転職を繰り返す時代ですが、やはり、人を1人採用するということはその人が最後までその会社に残り、頑張って仕事を続けるならば、会社にとっては2億円のお買い物になるわけです。
ですから、面接、とくに中途採用の場合は、即戦力をもとめるし、その分、基準も高くなり、期待も寄せられる。
流暢に話せるに越した事はないのですが、必要なのは、自分の考えをどんな無茶苦茶な英語でもいいので、相手にしっかり伝える能力だと思います。英語を使う仕事は、書くことも多いです。書くのは、そこそこ考えながら、わからないところは辞書も引けます。慣れてくると、辞書ひくのが面倒になって、誤魔化してしまうことも多いですけど。
おっさんは、単語力、文法力、読解力はお持ちですが、「運用能力」が欠けているのでしょう。これは、性格に大きく影響されることでもあります。ですから、冒頭にだした、必殺技は、日常やってほしい練習でもあるのです。私が酔ったら外国人は逃げるぐらい凄まじいものがありました。お酒の抜けたたねぞうは借りてきたねずみなのに、酒が入ると別人になるのです。言いたい事が英語だろうが日本語だろうが根こそぎ滝のように流れます。
面接になると、緊張して、それこそ、なかなか思うような言葉がでてこないことも考えられますが、それまでに、モードを別人モードに変換できるようになっておくことが、英語面接にておっさんが高評価をうけるポイントかなと思います。
もちろん、貝になってもいいと思いますよ。貝になっても、ピシッと、するどく、要点をまとめて正確無比な英語で回答できれば、貝でも充分なんですけど。でも、貝のすんでいない貝がら状態では、根も葉もありませんしね。
英会話学校にいくことは、一番手っ取りばやい、解決法です。その他、おっさんレベルでしたら、学校に行かずとも、個人的に外国人の知り合いに一回2000円程度で、二人でやる事を、ある程度体系的に決めて、レベルアップを計るというのもOKでしょう。目的、今の現状をしっかり、そのパートナーに伝え、数ヶ月間は、酒飲んで雑談。その次は、あるトピックについて、意見交換。その次は、とある社会問題をとりあげ、反対のスタンスから議論しあう、ディベート、最終的には、そのパートナーに面接官をやってもらってリハーサル。
な〜んにも考えず、思いついたままに書きました。2年もあれば、仕事にもとめられる英会話力なんて、今の力があれば、そして、今、自分で何がNGなのかしっかり見据える事ができれば、楽勝だと思います。
私の友人の、○田とう男は、英語できないのにいきなりフィラデルフィア支店に飛ばされ、それでも仕事はやってます。困ったのは、散髪屋にいけないんだよぉ、と嘆いておりますが。現場で使う英語と、現場を離れた英語はレベルが違います。現場にいると知らぬうちに身についてきます。
例外的な、アホもいます。入社してもその専門分野の英語さえ、さっぱり変わらというアホです。論外です。面接官はそのようなアホを見抜くための仕事でもあるんですから。
どのような勉強だったにせよ、いままでご自身がやってきた英語の勉強に自信をもって、その基礎を生かし崩し(意味わかりますよね?)、課題となる日常表現を少しでも思ったことをいえるおっさんになってください。
Good Luck ! たねぞう@英会話スクール研究所
===おっさんからのメール(同日 午後7時5分)===
たねぞうさま
早速の回答ありがとうございます。おっさんと言えども27歳のうら若き乙女なのです。
たねぞうさんのおっしゃる通り、英会話には力を注いできませんでした。勉強に励んできた私としては、会話という弱点を認識するのがいやだったので避けてきたと言っても過言ではありません。たねぞうさんのアドバイスを参考に、英会話学校というのではなく、個人的に議論ができるような人を探そうと思います。そして、まず、常々世に抱いている不満をぶちまけてみます。それなら話すことを考えなくてもでてきそうです。
おっさんの父は酒豪で、その娘であるおっさんも強いのですが、乙女を演じるために封印してきました。たねぞうさんから、早々のお返事を頂いたことですし、お酒と、恥ずかしからずに英語を使う度胸の封印を解くこととします。
人が見つかるまで、毎日のつぶやきも英語にして一人英会話を今すぐに始めます。
ありがとうございました。転職できたら必ず必ず報告しますので、「おっさん」の名前を覚えていてください。HPは見てますので。
おっさん
==おっさんへ特別掲載への許可依頼を含めて返信(同日 午後8時33分)==
おっさん さま
おっさん!単刀直入にお願いがあります。このメールのやり取りを特別公開欄(ちょっとだけよQ&Aコーナー)に掲載のご許可頂きたく存じます。
英会話スクール研究所のくせに、たまには英会話スクールではなくトーイック860点の人は、それなりの方法があるんですよ、と他の方々にもご紹介したい気持ちになりました。もちろん、おっさんが、うら若き乙女だったとは、つゆ知らず、「あぁ」とまたもや、ムンクの叫び顔になっているたねぞうがここにおります。この、マヌケな顔も皆様にご想像して頂ければとても、面白いので はと。
しかし、封印を解かれるとのことですが、さぞかし度胸がいることでしょう。まるで、甲賀忍法帖の世界になってきました。封印を解くにあたっても、アドバイスをしなければなりませぬ!以降、姫(ひめ)とお呼びいたします。
姫、まず封印を解くにあたって、飲む酒については焼酎、特に芋をお勧めいたしまする。その芋の中でも、ことあるごとにでてくる種子島 の島甘露、屋久島の三岳、さつまおはらなども、結構なお味でござる。
どちらにお住まいか存じ上げませぬが、「たねぞうの趣味」のリンクの「焼酎鬼ヶ島」というところから、購入できますぞ。たねぞうは、そこから、ケースで会社に直送してもらっておりました。6本入りのケースを、机の下に運ぶのが、同僚の目がはばかられたでござる。
そういえば最近、昼間、コンビニへお弁当を買いにいったら、なんとビールを飲んでいるオヤジを発見したでござる。たねぞうは、心中穏やかではなかったのですぞ。それは、拙者も飲みたいというものではなく、「ええぃ、このオヤジ、飲むんだったら気合いれて、缶ビールではなく、焼酎を飲まんかい!中途半端に飲んで何がうまいんじゃ」と情けなく思った次第でござる。
また、南蛮のバーボンなる酒もありまするが、封印を解くにあたってバーボンはアイゼンハウアー大統領も愛飲したターキーを飲みなされ。ストレート&黒ビールのコンビネーションが絶妙でござる。決して、チェイサーなどという、水を口にすることなかれ。黒ビールがチェイサーなのでござる。
さらにさらに、ビアーグラスを冷やしてあるバーもござるが、どうもたねぞうは、あれが気にいらん。冷やすと、水滴がグラスの淵につき、(ビールが)薄まるではないか!!冷えたグラスが出てきたら、「暖かいグラスをちょうだい!」と注文しなされ。
スピリッツ系は、やはりスピリタスでござろう。ストレート。おそらく、封印が完璧に解かれ、その先は、今まで姫が気付かなかったご自身が、姿を現すでありましょう。
姫、上記は、たねぞうの秘伝のごく一部ではござるが、やっぱり真似しないで欲しいと、ここまで書いて、思っている、アホたねぞうでござる。
英会話も「道」、姫なりの、英会話道を、王道を歩いて欲しいとまだ、ムンク顔が覚めぬたねぞうからのメッセージでござる。
たねぞう
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同日深夜、おっさんから、掲載ご了解を頂きました。おっさん、実はうら若き女性ですが、ただ誰かに背中を押してもらいたかっただけのようです。この気持ちすごくわかります。トーイック860点というスコアも邪魔をしているのか、素直に自分の英会話力の貧弱さを認められなかったのかもしれません。この場をかりて、たねぞうの英語力も「屁」のようなものですと認めます。例えていうと昼間にコンビニでビールを飲んでいるオヤジレベルです。ここまで泣きそうにやっても「屁」レベルと自分で言えること、それも大切だと思います。昼間っから、五合瓶とマイコップ&ポットをもって焼酎を飲むレベルもすごいと思いますが、[これは通訳レベルです]英会話に関しては、おっさんはここからが最後の上り坂(最後はありえないのですが、とりあえず)です。頑張って下さい。
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