メールアドレスのドメインが、frで終わっていたので、?と思いましたが、やっぱりフランス在住の方でした。いや〜、芋焼酎研究所じゃなかった、英会話スクール研究所もインターナショナルに発展しております。今回のたねぞうの返信は、回答ならぬ、「逃げ」に徹しています。(笑)
===彩輝さんより(2004/6/12)===
初めまして、初めてお便りします。いつも楽しく拝読してます。
今日は英文法参考書と、イギリス英語の発音を習える学校についてご意見を伺いたいと思います。
私自身は”やっぱり英語よね”と言う傾向に背を向けるべく(単なる天の邪鬼?無論それだけではありませんが)フランス語を専攻しマルセイユのトゥールーズに語学留学までしました。ところがこちらでも言語と言えば英語なんですよね。なんで英語じゃないのと良く聞かれます。でもフランスで、アメリカ英語を習える学校はほとんど耳にしません。日本に於けるイギリス英語より立場は弱
いかも。こちらで外国語と言えば、マルセイユではイタリア語が、トゥールーズではスペイン語が人気 ですね。土地柄が出てますですね。
フランスでの生活、日常的に外国語に触れる生活の中で頭の中でもやもやとした考えがあったのですが、たねぞうさんのコラムを読んで、思っていた事全てが文章化されていたのですっきりしました。「英語」の枠をこえて共感できました。
フランス生活も4年めに入りTFI(TOEIC運営団体がやってるフランス語テスト、つまりフランス語TOEIC)で870点取得し、ようやく「フランス語なら少しは分かります。」と言えるようになりました。そして個人的に出した結論は「語学には1に文法、2に語彙力、3に音声学」という物でした(私がただの文法マニアと言う意見もあります)。
ちなみに昔からドイツ語に憧れていたのでこちらで「ドイツ語を習おう!」的な本を買いましたが、フランス語でドイツ語を説明されてもねぇ、、、←遅々として進まず。閑話休題。
と同時に、折角苦労した受験英語を忘れ去ってしまうのも勿体ないと思い始めました。加えて受験の頃に分からなかった事も、フランス語をある程度理解した今になって振り返れば見えてくる物もあるかとも思います。フランス語音声学も汗水流してやっと何とかなって来ました(日本語訛りはないよ、マルセイユっぽいけどとフランス人に言われます←良いんだか悪いんだか)。
そこでたねぞうさんに相談です。独学で文法の復習および学習が出来る良い学習本と、イギリス英語の「発音」(会話ではなく)を習える学校を紹介して頂きたいのです(もうすぐ帰国なので「フランスで手に入りますか?」と言ったお気遣いなく)。
***** 少し私について*****
英語学習暦 |
: |
中学、高校、大学受験、大学の第1外国語として。 |
試験等 |
: |
TOEIC570点、英検2級(英検サイトのサンプル問題では準一級で読み問題は全問正解しましたがリスニングは惨憺たる物でした)。 |
留学歴 |
: |
旅行も含めて、英語圏の国には足を踏み入れた事がありません。 |
目標 |
: |
取りあえずハーレクイン文庫を原書で(なるべく辞書無しで)読む事。 |
単語 |
: |
受験の頃に使った頻出英語(っていう名前だったと思う、俗称「英瀕」)単語集。 |
音声学 |
: |
本を読むだけなら必要ないですね。でも興味有。 |
発音は自力では不可能な事をフランス語を通して学んだので、独学で習うつもりはありません。「正統派英国発音」とやらを音声学を通じて学べる学校って御存じですか?
(余談ですがアテネフランセ(仏語)、ゲーテインスティトゥート(独語)では音声学があるようですが、ブリティッシュカウンシルでは廃止されたようです。発音クラスって人気がないのかな?)
お忙しい所すみません。お分かりになる範囲でお答えいただけますでしょうか。
それでは。彩輝
===たねぞうの返事(2004/6/17)===
彩輝美智雅 さま
拝啓、
英会話スクール研究所のたねぞうです。フランスから、お手紙頂き、今宵の焼酎の味も格別です。といっても、今昼間ですし、今日はお便り頂いてから既に、数日過ぎておりますが。
英辞郎なる、アルクのサイトの辞書にてshochuを検索すると、チューハイという意味で shochu-based beverage と出ています。焼酎が国際語となる日も近いなぁと確信しておりますが、フランス語では、まだshochuは通じないでしょうか?なんて、バカな書き出しで、すみません。
早速ですが、本題に入りましょう。といっても、大した回答は期待しないで下さい。だいたい、この時点で、どんな回答になるか想像できます。というのは、おそらく、彩輝さんにとっては、自分で全て解決できる問題なんだろうなぁと、勝手に解釈しているので、それほどつっこんで、私の屁のようなうんちくをたれても仕方がないだろうというのが、本音です。
ある一つの外国語をある程度まで習得された方であれば、次の言語を同レベルまで習得するのは、それほど困難なことではないと私は推測しているからです。また、英語は、日本で義務教育として、勉強した過去があるわけですから、さほど抵抗無く、どの参考書が良いか見極める力もお持ちだろうと思います。そのような方に対して、「あれがお勧めです」とか申し上げるのは、恐れおおくてできません。(←絶対、もう逃げモードに入っていますよね・笑)。
私、本人も、文法は高校生以来、本格的に勉強したことはありませんし、それ以降は、出てきたところどころで、疑問がわいた時に辞書なり、その他、専門の文法書を本屋さんで立ち読みして勉強しました。あと、TOEFLをうけた時ぐらいでしょうか?確かに、杜氏(意味わかります?)じゃなくて当事を振り返ると、体系的に文法を勉強しないといけないなぁと思った時期もあった
ような気もします。が、多読し、多聴し、「感覚」でわかるようになるにつれ、文法に対する興味も少しずつ薄れ、音声へと興味がシフトしたように思います。
もちろん、私も文法は嫌いではありません。名前が嫌いです、特に「法」というのが。文法は、そこに既成であった「法」ではなく、広く使われる用法が、「法」として規定されるという考えがあるからです。ま、いいんですけど。
また、例外的な文法ももちろんありますし、その例外をつついていく自分に快感を覚える変態さもあるのですが、文法はあくまで「理解できる」数学のようなものでした。例外だけは、「覚える」わけですが、それも、自然に体に染み込んでいけば、例外も例外ではなくなります。しかし、「辞書があってもなにがあっても」理解できなかったのが、「音」でした。それが、また大きく私の好奇心をそそったのも事実です。
なかなか、ここまで書いて、上手に彩輝さんの質問にニゲているたねぞうがおります。ふふふ。
実は、本来であれば、せっかく略歴まで書いて頂いていらっしゃるので、その略歴プラス現在までのアカデミックバックグラウンドを加味し、本屋に足を運び、適切な文法書の一つでも紹介しなければならないと正直に思います。ただ、許して下さい。そこまでの余裕がありません。ですから、ニゲに走った訳です。文法参考書は、書店でそこそこ名前のしれているものであれば、大外れを引くことは無いでしょうし、一番いいのは、トーイックなり、英検1級なりの文法セクションに絞った問題集を買い、わからないところをリファランスブック代わりに文法書を引く方法がベストだと思います。飽きないですし。スワンの文法書は、手元におきたい一冊です。
ふ〜、やっと文法については、逃げ切れたような気がします。
あ?ブリティッシュイングリッシュの発音についての質問もありました。ブリティッシュイングリッシュについての発音コースという、マニアックなコースを持っているスクールは無いのではないのでしょうか?だれも受講しないと思いますし、儲からんです。英音については、個人でイギリス人講師をプライベートレッスンを受講されるのが一番でしょう。彩輝さんのレベルであれば、大手のスクールに個人レッスンにお金をつぎ込むよりも、先生と生徒を仲介する「○○探すドットコム」のようなところをご利用されても、(自称)先生のレベルもわかると思います。さらに、BBCを聴く、BBCをシャドウイングするとかで、英音独特のくせを勉強できると思います。私にとっては、英音は、単語の区切りがはっきりしておりわかりやすいという反面
hissing sound と、微妙に気取った雰囲気に少し戸惑いもあります。逆説的で申し訳ないのですが、英音を習うためには、米音を学習するというのも非常に効果的だと思います。これは、それぞれを比較することによってそれぞれの特徴が、きわだって見えてくるため、違いがよりはっきり認識できる効果があります。さすがに、豪音までとはいいませんけど。ちなみに私は始めて豪州の人と話したのは電話ででしたが、「マジ、こいつ英語なんかい」と思ったほど訳のわからぬ言語に聞こえました。
日本語でも、方言も地方にいくと、日本語にとても思えない日本語話しているところ多々ありますよね。
ということで、いかがでしたでしょうか?たねぞうは、彩輝さんの質問に対し、うまく逃げ切ったでしょうか?これに懲りず、今後とも「英会話スクール研究所」にお立ち寄り下さい。
たねぞう@英会話スクール研究所
読み返してみると、本当に回答になってないですね。ごめんなさい。
===彩輝さんからのお返事(同日)===
お返事ありがとうございます。 お忙しいだろうからお返事無いだろうと思っていたので、とても嬉しかったです。 ところで、焼酎をネットで検索してみました。
Elabore' au Japon, cet alcool blanc (proche
de la vodka) commence 'a arrive' en France.
(日本原産、この白アルコール(ウォッカに近い)は最近フランスに入りはじめてる)
と書いてあるバーテンダーのサイトがありました。白アルコールとは?たねぞうさんのコンピュータがアクセント記号が表示できるか分からなかったので、アクセント付き文字は書き換えました。こちらではsyochuと言って分かるのは未だバーテンダーとか、一部のお酒のプロだけでしょうね。
”杜氏”って、酒蔵でお酒を仕込む人ですよね?
> 文法は、そこに既成であった「法」ではなく、広く使われる用法が、「法」として規定さ
> れるという考えがあるからです。
そうですねぇ。ちょっと違うかもしれないけど、フランス語のMonsieur(ムッシュ)の略は正式にはM.なんです。でも最近英語の影響でMr.と書く人がとても多いです。最近ではMr.も正式に市民権を得はじめてます。これも“広く使われる用法が認められ(始め)た”類いでしょうか。
> 例外的な文法もありますし、その例外をつついていく自分に快感を覚える変態さもあ >
るのですが、文法はあくまで「理解できる」数学のようなものでした。
この数行、とても共感できます。
> 略歴プラス現在までのアカデミックバックグラウンドを加味し、適切な文法書の一つ
> でも紹介しなければならないと思います。ただ、許してください。そこまでの余裕があ
> りません。
許して下さいなんて、とんでもない。こんなに丁寧な返事を頂いただけでも満足してるんですから。私もたねぞうさんにメールを書いてから、”自分で本屋に行けよ”って自分に突っ込んでましたので。
> トーイックなり、英検1級なりの文法セクションに絞った問題集を買い、わからないと
> ころをリファランスブック代わりに文法書を引く方法がベストだと思います。スワンの
> 文法書は手元に手元におきたい一冊です。
スワンの文法書と言うのがあるのですね(英語で書かれてないといいけど)。ネットでちょっと当たってみます。
> ブリティッシュイングリッシュについての発音コースという、マニアックなコースを持っ
> ているスクールは無いのではないのでしょうか?だれも受講しないと思いますし、
> 儲からんです。
やっぱりないか(笑)。昔ブリティッシュカウンシルの発音があったんだけどなぁ。
> 逆説的で申し訳ないのですが、英音を習うためには、米音を学習するというのも非
> 常に効果的だと思います。
その視点もあったか。目から鱗。ここまで丁寧な返事をいただけて感動してます。これからもちょくちょく更新をチェックしますので、絶対にこのサイト続けて下さい。コラムは本当に楽しみにしてます。
では、夏模様のトゥールーズより。彩輝
===たねぞうより===
杜氏は、おっしゃるとおり酒を仕込む人です。なかなか彩輝さんも、やりますなぁ。ちなみに杜氏といえば、「杜氏の里」というところがあるそうです。「黒瀬杜氏」が気合をいれて仕込んだ焼酎「一どん」という芋焼酎があります。森伊蔵よりも、入手は難しいのでは?フランスの方にも是非ご賞味いただきたく、思っております。
今は、芋焼酎ブームでもあります。適度な飲焼酎は、血液をさらさらにするそうです。過度な飲焼酎は、たねぞうになり、医者から、怒られます。フランスでは、噂では朝からワインを飲むとか。日本も朝から焼酎を飲む国に・・・なるわけないか(笑)。
尚、スワンの文法書は、外国人(英語のノンネィティブ)が間違いやすいところを解説してある名著です。文法に抵抗のない彩輝さんだったら、楽しめると思います。尚、英語で書かれていますけど・・・。
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※掲載のご了解を頂いたあと、スワンの文法書は、邦訳版がでているとご指摘頂きました。研究社から、「オックスフォード実用現代英語用法辞典」という名前で出ております。更に、いかにワイン王国フランスとて、「朝からワインは飲んどらん!!」と。そりゃ、そうですね。
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追記:尚、上記スワンの文法書についてとまとさんの掲示板のご指摘により、「オックスフォード実用現代英語用法辞典」ではなく、「オックスフォード実例現代英語用法辞典」の間違いでした。すんません。
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