We突撃レポート
スクール突撃レポートを久しぶりに敢行しました。 スクール名は We(ウィー)。実は以前から気になっていたスクールですが、投稿が無いので突撃を見合わせていましたが、ここのところ投稿が増えてきたし、最近レポートもやっていないので、久しぶりに重い腰を上げたのです。
例によってたねぞうは短刀直入。断られたら別の方法を考えよう...ってそのくらいのかるーい気持ちでまずはお電話しました。 「私こういうサイトを運営している者です。突然ですが、取材をさせてください。」 しばらく待つと意外に早く結果が出ました。「では、私どもの代表がお受けいたします。」
ええっ!? いきなり社長さんにお会いいただけるんですか? いや、そんなつもりは無かったんですが。え、いやもちろんお会いしたいですとも。 恐縮しながら訪問日を決めました。
2011年12月、クリスマスも近づいてきた頃、冷たい小雨の降る中を行きました。本当は家に帰ってこたつに当たりながら焼酎をあおりたいところですが、それをぐっとこらえて行きましたよ。
Weは渋谷のマルイJamというおしゃれなお店の1件先のビルの4階です。 エレベーターで上に上がり、一歩スクールに足を踏み入れると、どちらかというとビジネススクールのような清潔でピリッとした空間が現れます。飾ってあるクリスマスツリーも安っぽさが無い。 受付らしきローテーブルで生徒さんらしき方の相手をしているスタッフの女性も美人でしたが、生徒さんもおしゃれで美しい方が多い気が...たまたまでしょうか? なるほど、これなら渋谷という場所にあって周りから浮くことなく、支持され続けるだろうなと納得した次第。
でも、それだけでやっていけるほどこの業界は甘くないはず。たねぞうは絶対にその秘密を暴いてやる意気込みで取材に臨んだわけです。
現れた社長さんは、社長にしては若くていい男、しかもさわやかな語り口の感じのいい人で、対決気分を高めていたたねぞうは拍子抜けです。 「たねぞうさんのサイトはよく存じ上げてますよ。一度お会いしたいと思ってたんですよ」なーんて光栄なことをおっしゃるからたねぞうはうれしいやらかゆいやら、上機嫌で会話を楽しみ始めましたよ。 しかも社長さんのお話が危険な程面白い。たねぞう、不覚にも取材を忘れて社長さんの若き日のやんちゃ話や、京都の英会話スクール時代の苦労話に腹を抱えて笑っていました。
さすがにそれだけではたねぞうの名が廃ります。まじめな話も聞いてみました。しかも、今回の取材を敢行する動機となった、たねぞうが一番聞きたかったことをいきなり聞いてしまいます。
10年以上も単一校で存続できたのはズバリなぜか?
しかもここは渋谷の中でも英会話スクール激戦区で、名だたる英会話スクールが5・6校、現れては消えて行ったところ。半端な答えでは納得できません!
返って来たのはまったく理にかなった、いい答えでした。 実はWeは日本語学校も運営しており、日本語学校Weの生徒さんはたくさんの英会話スクールの先生を含んでいるそうなのです。先生たちは昼間に生徒として通って来ます。で、英会話の先生に戻って各スクールに散らばった後からは、英会話スクールの生徒さんが通ってくる頃にはわけで、うまい具合に昼夜がまわっているという具合で、単一校でも効率よく教室が回っているのがその秘密のということ。
なるほど! たねぞう、それだけで聞くことがなくなってしまうほど納得してしまいました。
又、社長は「Weは実は"World englishes"の略なんです」とおっしゃいます。
突然何を言い出すのかと思ったら、社長は自身の経験から世界中にはいろいろな英語があり、英語が実質的な世界言語と認識されているのは、そうした英語の多様化が背景にあるという持論を持っているんですね なるほど。 たねぞうも思い当たります。世の中にはとにかくいろいろな英語があります。例えばピジンイングリッシュ(非ネイティブが英語でコミュニケーションを取るために発達したカタコトの英語。現地語が混じってたりして、慣れるまでは聞き取りに苦労する。)もコックニー(ロンドンの労働者階級の英語。知らないととても聞き取りにくい独特のなまりで話す)も英語。でも、ビジネスシーンではできればもっとふさわしい英語を使いたいもの。 "World englishes"はつまり、英語という一つの言語(通常大文字で始まり、Englishと表記)があるのではなく、世界にはいろいろな英語、つまり複数形で"englishes"というものがあるのだという考えを表しているのです。 「スタッフにはわかりにくいと一蹴されて、今はカタカナでワールドイングリッシュの略と説明してますけどね」と苦笑い。 正直たねぞうも説明しにくいです(笑) でも、そんなことも熱く語れるのは、英会話に真剣に取り組んでいるからこそでしょうね。すばらしい!
そんな冗談交じりのお話ながら、肝心なところはブレがありません。"englishes"はどんな英語だろうと通じれば良いということではなく、使う人や使う環境によっていろいろな英語があり、どんな英語が役に立つのかは人によって随分違うということです。社長はこの課題の解決のため、一人一人の生徒のニーズに可能な限り応えるという効率の悪い方向性を選びました。英会話スクールのサービスとしては当然でしょう、と言ってのけるあたりもカッコイイっす。
試行錯誤を重ねた末に辿りついたのが現在のカスタマイズ方式で、50以上のクラスの組み合わせによって、一人一人のニーズに合わせたユニークなカリキュラムを組み立ててくれます。そうやって組み立てたカリキュラムを、最低3か月かけてマスターしていくわけです。これらのクラスのバリエーションは単に一つの教育理論から生み出されたものではなく、一人一人のニーズに対応する過程で生まれてきた、現実に即したクラスばかりだそうです。
しかし、たねぞう、ここでふと思ってしまいました。ひとつのカリキュラムを最低3か月やらなくてはならないというのは長すぎないかな? 「そうですかねぇ。うーん、そうかもしれませんねぇ。何とか短縮する方法があるかもしれませんねぇ、これからの課題ですねぇ」 いやいや、そんなに真剣に取らないでください。てっきり『3か月くらいやってみないと効果云々は判断できませんから』って反応されると思ったのに...生真面目なのか軽いのか、よくわからない社長さんですが、こういうふとした疑問に大真面目に反応してしまう生真面目さが、社長の本性なのかもしれません。
日本語を教えることで昼夜効率よく回るようになったというのも、狙ってそうなったというよりも、Weのポリシーを追及した結果そうなったというのが面白い。
一人一人の生徒に合わせるという姿勢が教師側にも求められた結果、ネイティブ教師といえども、日本語が堪能な教師を優遇するという傾向を生みました。そこに、英会話教師の日本語学習というニーズが生まれ、日本語スクールというサービスが生まれたわけです。図らずもそのサービスが他の英会話スクールの教師や、外資系の企業にも受け入れられ、安定するに至り、Weというスクールの安定的な経営を下支えするようになりました。これまでに150か国もの方が、Weの日本語スクールで受講しているというからすごいです。決して小賢しい作為の結果ではなく、信念を持って課題と取り組んだ結果が成功に結び付いたというオチがめちゃくちゃたねぞうのツボにはまりました。
うーん、なんていい話なんだろう! ちょっとドラマチックな映画を一本見た気分で取材を終えたたねぞう。
最後に「Weの英語カリキュラムは理想的だと思いますか?」と聞くと、「まだまだですよ」と期待通りのお返事。この社長の元であれば、Weというスクールはもっともっと良くなっていくと期待しましょう。
長い取材で書き漏らしたことも多いけど、今回はここまで! ふぅー。
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