こんにちは、お待たせしました。え、誰も待っていないって?多分、1人はパート3が待ちどおしいと思ってくれていることを祈っておりました。パート3では、子供がどんなへんな日本語を使っていたか、思い出すのに、ちょっと時間かかっていました。早速ですが、確か子供が5歳ぐらいだったと思いますが、一緒に歩いていたら、近くのお魚屋さんの前を通りが買った時;
Jr: 「ね、おとうさん、○○はね(自分の名前)、あのおさかなやさんに、おかあさんとふたついったことあるんだよ」
たねぞうパパ: 「そう、ふたついったことあるの?ふたついったことがあるってのは、にかい(二回)ってこと?」
Jr: 「そう、そう、にかいってことだよ」
たねぞうは、心の中で、本当にコイツわかっとるんかいな?と思いながら会話を続けました。このような会話を面白いと思ってくれる方がいると、たねぞうはとても嬉しく思います。また、子供は造語の天才です。ブッブが車というのは、これは一般的に理解できると思いまうすが、「ピッコンブー」などは、「車でウインカーを出して曲がること」でした。その家庭でしか通じない典型的な例です。また、「朝」という単語を知らない場合は、もがきながら、「ほら、お空が黒から黄色になるでしょ、そうしたら」と自分の言葉で言い換えていたこともありました。普通の親であれば、そこまで注意深く観察しないでしょうが、たねぞうは、会話するたびに注意して聞いていたので、毎回、驚きの発見の連続でした。(故、松本亨先生の名著「英語で考える本」の中に、例文を、頭のでだしだけ換えて内容を同じ意味にい換える練習がありましたね。思い出しました。)
子供は自分の知っている少ない語彙のなかで必死に伝えようとします。そして、それでも適切な語句が見つからない場合は、もし、音で伝えられるものであれば、その音をそのまま、引用して伝えるみたいでした。お母さんだって、そういうふうに話しかけているのでしょう。「おくしゅり、ごっくんしようね」という例では、「ごっくんする」=「飲む」ですからね。飲むという動作を象徴する、音声(擬態音)で、代替するわけです。これは、実は非常に大切なことだと思います。
というのは、外国語(英語)を身につけるにおいて、パート1で書いた、自然に英語を身につけられない3つの理由を覚えていますか?
@理由:あなたは大人だから
A理由:あなたは日本人の大人だから
B理由:あなたは論理的思考と感情をコントロールできる大人だから
まず、大脳生理学的に、理由その@は、どうしようもありません。だって、いまさら物理的に子供にはもどれませんからね。メルモちゃん(知っている人います?変身するとき、子供ながらにドキドキでしたよね)の、赤い玉?青い玉?どっちか忘れましたけど、そんな便利なキャンディがあればいいんですけれど。
理由Aはどうでしょう。これは、日本語というフィルター(プラス、学校でならった学問としての英語)が邪魔が英語を英語としてそのまま吸収されるのを阻害するということでした。心理学的なアプローチでいうと、人は自分が見たいと思ったものを見る、聞きたいと思うことを聞く傾向があります。例えば低俗ですが、女性は後ろからみると、100%美人に見えるでしょ。あれですよ、あれ。音からのアプローチでは、英語の音を日本語の50音のどれかに無理やり当てはめて聞こうとするのです。この音に関するメカニズムは詳しくは、別コラムでいつか取り上げる予定です。加えて、学校で学んだ文法も、ブレイクスルーとたねぞうが勝手に呼んでいる、ある瞬間を迎えるために大変邪魔になりました(コラム#4を参照)。これは、文法を決して軽視しているわけではありません。繰り返しますが文法は大切です。ただし、英語(英会話)を学ぶ初期段階で、文法にこだわる必要はないということです。子供がそうであるように。
掲示板の「ぷんぷく」さんの書込みにたねぞうが返信したなかに、こんな表現があります。He’s
passed out. たねぞうがこの表現を身につけたとき、たねぞうは、これを綴れませんでした。スペルアウトできなかったのです。何故かというと、「ヒーズパスタゥ」に聞こえるのですが、何の意味かさっぱりわかりませんでしたが、再三、目の前にへべれけになって酔っ払っている友人をみて、外国人は、そのように言っていたので、「ヒーズパスタゥ」は、要するに、「酔いつぶれて寝た」ということなんだろうと耳からシチュエーションを通じて学んだ言葉の一つなのです。
このように耳からシチュエーションを通じて覚えた表現は決して忘れないものです。この時に、文法的に理解しようとすると、紛らわしくなる。He
is passed out.ともし心で綴ってしまうと、なんじゃこの受身は??となって、そこで悩んでしまう(これたねぞうでした)。いいんです。悩まなくとも。子供は、日本語の文法は最初は気にしません。え、ずっと気にしない?そんなことはありません。気にする時(段階)がきて初めて気にし始めるのです。これは、無意識に行うので、気付かないだけです。パート2の紹介した、“○○(自分の名前)のごはんをたべる”を、“○○をごはんにたべる”のような言い方も、少しずつ、正しい言葉に、もどかしそうに、正しい文法を自分なりに探るように、言い直すようになります。まるで、英会話を学びたての頃、he
だから、動詞は三人称単数現在にはsとかes をつけるんだったっけと悩むのにそっくり。
たねぞうは、文法は大切だと思いますが、自分がそのように思うまでは大切ではないと思ってもいいと思います。単語(語彙)も大切ですが、自分がそう思うまでは大切と思う必要はない。腹がへったら、ごはんを食べたい。これと同じ。無理やり、自分の中の文法に当てはめようとするから、逆に回り道しちゃうんですね。皆さん、そんな言語学者になりたい訳じゃないのですから、気楽に構えてもいいと思いますよ。
You done with the paper? や、He is gone. に使われている done や gone が受身とか現在完了とか、余計なことで悩む前に、いいじゃないですか。まず、状況から何を伝えようとしているのかが理解できさえすれば。英会話=言葉=意思疎通の道具ですから、言語学的に完璧じゃなくてもいいってところから始めたらどうでしょう。たねぞうは、ずいぶん回り道をしました。これから英会話を学ぶ人にはこのような回り道をして欲しくありませんから。
多量の英語のインプットは、英語の音を日本語の50音のどれかに当てはめるという日本語フィルターの撤去に役立ちます。但し、意識して行う事です。無意識だと、50音フィルターが働きます。加えて、英語の表現→英語の文字→和訳→意味という論理的に思考する癖を壊しましょう。英語の表現→多分こんな意味、という具合に。これは繰りかえしですがコラム#4に書きましたけれどね。多少、酔っ払っているのが丁度いいのかもしれません。間違っても、恥ずかしくもないし。
余談ですが、たねぞうは、一回だけ、外国人を実家に遊びに連れていったことがあります。今は亡き、たねぞうのとーちゃんが、そこには酔っぱらっていました。外国人はカナダ人でハゲておりました。たねぞうのとーちゃんは、外国人を毛唐と呼ぶ時代の人間です。どうなることかと思い冷や冷やでした。とーちゃんの第一声は;
とーちゃん: 「おー、ハゲ、よう来たな、すわって飲め」
外国人の友達: 「Hello, pleasure to meet
you, Sir」
とーちゃん: 「(外国人の頭を、ピタピタなでて)ディスイズハゲ」
外国人の友人: 「OK、hage hage , I am hage」
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二人にしてしばらくそっとしておいたら、なんとかなるものですね。コミュニケーションのスタートはここから始まるのではないでしょか。ここまで書いて、やっぱり、コラムタイトルとはかけ離れたところに来ている自分に気がつきましたが、いつものことなので許して下さい。全然、結論めいたものが書けなくてすみません。言い訳ですが、このまま続けたら、本になっちゃいますので。今後のコラムにて、音声面、文法面、学校英語のことなど、少しずつ取り上げて皆様のご参考にしていただけると嬉しいです。
>>>>> 追記
思い出しました。ある日、たねぞうJrと話しをしていました。何か確か問い掛けた時でした。たねぞうJrは、無言のまま、腕を斜めに上げ人差し指で、5回ぐらい右から左へちょんちょんちょんとする仕草。たねぞうはなんじゃこりゃと思いながら、再度同じことを聞くと、また同様に、ちょんちょんちょん。困り果てたたねぞうは、母親に「ねぇ、このちょんちょんちょんっていう仕草、何なの?」と聞くと、実はそれは、漫画などの吹き出しでよく使われる「・・・・・」のことでした。「答えたくないことや、よく判らないときには、最近この子はこうするのよ」と。全く、子供は大人の思いもよらないコミュニケーション術を使うものだと苦笑すると同時に感心しました。
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