国弘流・英語のはなしかた(平成21年第23刷)たちばな出版 EVに通っていて、その経過報告で触れた書籍の読後感です。言わずと知れた同時通訳の大御所・国弘正雄氏(現在は英国エジンバラ大学教授)の改訂版(初版は平成11年)で、本屋さんでふと目に付いて立ち読みしました。もう年齢が80歳を超えていらっしゃるので、内容が古臭いのかなと思いましたが、今でも通じる王道の考え方です。購入し読みました!ナルホドと思った点を箇条書きでピックアップします。<総P数348>。 @繰り返し音読せよ、楽しての上達は無い<p24> (楽して話せる…)、なんて幻想だと言う根拠が数々! A音読のすすめ<p40> 掛け算の九九なみに音読を高めると後々の核になる! B活用(コロケーションなど)の習得は会話の柱であり、知らないと使えない<p262> カタコトであっても実際の用例を使いこなす方法満載! Cネットを活用する 2009年時点のウエブ掲載・ためになるコンテンツあります! D教材は自己責任で選べ<p306> (聴くだけでペラペラ…)、に踊らされるな!(ナルホド宣伝している若きゴルフ界のR,I選手の発音の悪い事…*これは私の感想) Eネイティブ並みのボキャブラリーの数と達する年数に関して<p342> 一般ネイティブ(知識階級ではなく)のボキャブラリーは40000〜50000語で、それに達するには外国人の我々には正味6000時間分の(ちゃんと意識した勉強)が必要だ。 毎日2時間の(英語づけの勉強)をして最低8年近くかかる計算だが、日常会話なら発音の良し悪しは別として2000語で何とかなるので、これを訓練飛行のマジックナンバーと呼んでいる先生の話など、他の情報も多い。 …とまあ、こんな感じです。 Eにある年数を、日本の学校教育の場でのモノに勝手に換算してみました。中高6年間の勉強で、休暇中もコンスタントに学習したとしても、2300時間で、ゆとり教育世代だと1500時間程度です。さらに大学の教養課程での勉強の380時間を足してもやっと2800時間程度だという事になります。大卒のゆとり教育世代の時間の少なさ(1880時間)には驚きました。圧倒的に時間不足なのに、聞き流すだけで簡単にペラペラになったり、ちょっと留学したからと基礎学力も無いのに話せるようにはなるはずはないんですね(^^;。 自分が英語に費やした時間を計算してみました。約6000時間でしたが、ようやく一般ネイティブの足元に来たかどうかという程度で、自分の関心の無い事柄や、難しい専門用語が頻出する会話にはついていけません。 氏は、日本生まれの日本人であり、中3で終戦を迎え、英語環境は時代性もあって酷かったけれど、とにかくインプットした英語を1文につき何百回も口からアウトプットした経験が、何よりの勉強だったといいます。本を読んでも、自分が話せない単語は聴いてても解らないし、知らない文法事項を吸収した後には耳と口での訓練を何百回も続けたと言います。例えとして、いつも野球の実戦を見ているけど(あれこれ知っているけど)野球の素人が、楽な練習だけで甲子園に出たり、プロとの試合でその人がホームランを打てるはずが無いのを皆理解しています。が、こと、英語に関しては練習は少しだけでも何か楽な方法があるという幻想に駆り立てられている人もいる、と指摘しています。 いやはや、全部が全部、ごもっとも!!!氏の知り合いの貴重な話や有名な学者の説も載っています。読んで知ったのですが、EVのJ先生のやり方で、ほぼ同じ内容があって驚きました(が、先生のやり方に注文を出したからそうしてくれたのです…)。ともあれ、読んでみる価値はあると思います(^^)。 |